仕事と家事との両立は、重要テーマとしてずいぶん前からさまざまなところで議題に挙がっています。
しかし、企業レベルや地域レベルでうまく対応できている例はあっても、
日本全国での取り組みを見た場合にはいまだ仕事と育児の両立に成功しているとは言えません。
また、家事育児は女性の役割という考え方もいまだに残っており、
仕事との両立が出来ずに退職を余儀なくされるケースも少なくありません。
仕事を続けていくことを考えたときに、出産・育児が障壁となることは言うまでもありません。
特に中小企業においては、仕事と育児との両立がより深刻な問題となっています。
近年では、時短勤務など少しずつ制度が整えられていますが、
正直取りづらい、働きにくいと感じている意見も少なくないと言われています。
子育てしながら働く母親=ワーママ(ワーキングママ)だけでなく、
一緒に支えていくワーパパ(ワーキングパパ)にとって働きやすい環境づくりを考えていくことは、
事業を継続するうえで避けては通れないのではないでしょうか。
この記事では、2019年以降の働き方改革導入や新型コロナウイルス対策など、
仕事と家事との両立の重要性が叫ばれる中、現状や対策について解説します。
仕事と育児の両立の難しさを示す現状について
結論からいえば、現代の日本国内において、仕事と育児を両立させることは簡単なことではありません。
その事実は、総務省が発表している「平成28年生活基本調査」などのデータからも読み解くことができます。
データには、以下の特徴が記されています。
・諸外国に比べて男性の育児参加率が低く、育児負担が女性に偏っていること
育児休暇取得率
女性 : 82.2%
男性 : 6.16%
参考:厚生労働省「平成30年度雇用均等基本調査」
・女性の出産後就業継続率が低いこと(約25%)
女性が出産後仕事を辞めた主な理由は以下の通りです。
①家事・育児に専念するため、自発的にやめた。(正社員30.3%、非正社員46.3%)
②仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさでやめた。(正社員 22.5%、非正社員 13.5%)
③妊娠・出産を機に自発的に辞めたが、理由は妊娠・出産等に直接関係ない。(正社員 14.6%、非正社員 11.5%)
④解雇された、もしくは退職勧奨された。(正社員 8.4%、非正社員 8.7%)
参考:厚生労働省「平成28年生活基本調査」
以上のデータから、育児の負担が女性に集中していることが確認できます。
また、男性が育児のために有給消化をするのがまだかなりの少数派であることが分かります。
仕事と育児の両立が難しい4つの要因
データから、現在の日本では仕事と育児の両立があまりされていないことが分かりましたが、その背景にはどのような事情があるのでしょうか?
この章では、4つの要因を紹介します。
2-1.勤務時間が合わない
仕事と育児を両立させるには、子どもの保育園や幼稚園の送り迎えの時間や病院での予防接種や検診の時間など、
さまざまな時間調整が必要になります。
フルタイム勤務の場合、どうしても平日の日中に、
子どもの幼児と仕事の時間が重なってしまうため、
時間が調整できない職場の場合、育児との両立が困難になります。
また、子どもの場合は急な発熱やケガなど突発的なスケジュール変更についても常に想定する必要があります。
2-2.パートナーが育児に協力的でない
パートナーが育児に協力的ではない場合、仕事の継続が困難に感じられるものです。パートナーの協力があれば、突発的な対応や子どもの用事のための休みの取得を2人で分散させることができますが、
協力が得られない場合には全て一人で負担しなくてはならなくなるためです。
協力が得られないと、家事や仕事の日常的な負担も重くなってしまうため、体力的にもハードに感じられます。
2-3.職場に育児を支援する制度がない
育児のための休暇や時間調整がしやすい制度が整っている場合とそうでない場合とでは、育児のしやすさが大きく異なります。「どうしても休めない」
「代わりに仕事を任せられる人がいない」
「緊急時に早退できる制度が整っていない」
といった職場では、仕事と育児との両立は難しいでしょう。
例えば、育児休暇制度に関しては、大手企業では大半の企業で制度が整っていますが、
従業員数30名規模の企業では導入率が約70%となっており、制度の整備が求められます。
参考:厚生労働省「労働生産性の向上とワーク・ライフ・バランスの実現に向けた企業の取組」
2-4.保育や子供の看護体制が整っていない
低年齢の子どもを持つ親にとっては、保育や看護の体制も重要です。最近、特に人気が高いのは企業内保育所や企業内病院が整っている会社です。
このような仕組みがあれば、万が一子どもの体調が悪くなったときなどでもすぐに駆け付けることができます。
一方で、保育園や病院と職場が逆方向であったり、
アクセスが悪かったりした場合には、万が一のときにすごく困ってしまうことになります。
育児と仕事の両立を支援することが大切である理由
育児と仕事の両立を支援するためには、制度の構築などどうしても企業側にある程度の負担がかかることは確かです。
それでも企業が育児と仕事の両立を支援することが大切とされる理由は何かあるのでしょうか?
この章では、企業がスタッフの仕事と育児との両立を支援することのメリットについて解説します。
3-1.人手不足の解消につながる
直接的な理由としては、人手不足の解消が図れることが挙げられます。現在、不人気職種に限らず大半の企業で人手不足が騒がれています。
そのような状況下で、従業員が退職してしまうことは企業にとって大きな損失です。
しかし、一時的に「育児休暇」という形をとるにせよ、
出産や育児をしても仕事を続けられる環境を整えておくことで、
人手不足の解消につなげることができます。
さらに、子育ての不安や悩みがなくなると、
離職率がやや低くなるという調査結果も存在します。
参考:厚生労働省「労働生産性の向上とワーク・ライフ・バランスの実現に向けた企業の取組」
3-2.優秀な人材を確保し、将来の収益性が高まる
育児と仕事の両立をサポートすることで、優秀な人材をつなぎ留めておくことにもつながります。出産前後の一定期間は、職場を離れたり、
時短勤務や在宅勤務などで対応せざるを得なくなる可能性はありますが、
長期的に見た場合、優秀な人材をつなぎ留めておくことで将来の収益性が大きく向上する可能性が高まります。
3-3. ワーク・ライフ・バランスの改善に繋がる
仕事と育児との両立について取り組むことで、会社全体のワーク・ライフ・バランス改善に取り組むきっかけにもつながります。
というのも、育児をするスタッフにのみ制度を整えることは従業員間の不平等・不公平にもつながり、いびつな対応となってしまいます。
長時間勤務の改善や有給休暇の取得など、スタッフ全員の満足度が高まるように対策をしていきましょう。
3-4. 企業イメージの向上
育児の支援制度が整っている企業は、対外的なイメージの向上にもつながります。その結果、人材採用の際に応募者が集まりやすくなったり、
商品やサービスが市場で受け入れられやすくなったりする可能性があります。
反対に、現在は「ブラック企業」に対するバッシングが非常に強く、
いったんレッテルを貼られてしまうとイメージの回復は非常に困難です。
つまり、仕事と育児の両立に取り組むことが、
長期的な視点でいえば業務改革にもつながることになります。
社員の仕事と育児の両立のために企業ができる対策
社員の仕事と育児の両立は、社員本人はもちろん、企業にとっても大きなメリットがあることが分かりました。
では、企業が社員の仕事と育児との両立をサポートするにはどのように対策を整えれば良いのでしょうか?
この章では、企業ができる3つの対策について解説します。
4-1. 育児休業制度の整備や取得の推進
まずは、育児休業制度や時短勤務制度など、育児をしながらでも仕事を継続しやすくなるような制度の整備を行ないましょう。
制度を変更するときには、就業規則に明文化する必要があるため、
社内の総務部などを中心に就業規則の改訂作業も行いましょう。
(育児休業制度の場合の必要記載事項)
・付与要件
・制度に必要な手続き
・期間
また、育児休暇中の賃金についても就業規則にて記載しておきましょう。
育児休業の他に、子供の看護のための休暇制度や、育児休業取得の際のハラスメントの防止策などについても設定しておくと万全です。
参考:厚生労働省
4-2. 在宅勤務・テレワークの導入
制度だけでなく、育児中の社員が働きやすい働き方を用意することも効果的です。現在、最も注目されているのは在宅勤務やテレワークの導入です。
例えば、在宅勤務の場合、家庭で子どもの様子を見ながら働くことができるため、
オフィス内に保育や看護の設備や施設がなくても育児をしやすい環境で仕事に従事することができます。
また、生活圏を離れずに仕事ができるということは、安心感にもつながります。
4-3. 時短勤務やフレックス勤務など労働時間の対策
時短勤務やフレックス勤務により、労働時間の融通を利かせる方法もあります。例えば、幼稚園や保育園の送り迎えの時間を外した勤務にしたり、
育児や家事とのバランスを調整した勤務にしたりするなどの対策をとることができます。
企業が労働時間対策としてとれる主な制度には、以下の制度があります。
・時短勤務(6時間以内)体制の構築
・フレックス勤務
・残業や休日免除のための取り組み
ただし、そのまま単に制度を導入しただけの場合には、仕事の引継ぎがうまく行われなかったり、
スタッフ間で不公平が生じてしまったりするリスクがあります。
そのため、併せて以下の対策をとることも大切です。
・仕事の配分を他のスタッフに割り振る
・仕事の割り振りや引継ぎ、緊急対応のために常にコミュニケーションが取れる仕組みにしておくこと
・就業規則や整備のルール
このように、制度面と実情面の両面から制度を整えていくことが大切です。
ビジネスチャット「JANDI」が家事と育児の両立をサポート
ここでおすすめしたいのは、ビジネスチャットツール「JANDI」の導入です。
JANDIは、以下の3つのメリットから、家事と育児の両立支援を後押しします。
①スタッフがどこにいてもいつでも連絡を取ることができる
→在宅勤務者や時短勤務者、育児休暇中のスタッフとスムーズに連絡を取ることとができます。
②コミュニケーション不足を解消
業務にチャットツールを導入することにより、スマホやPCで手軽にコミュニケーションを取れるようになります。
資料の共有機能も搭載されており、導入済み企業の平均では、
不要な会議29%削減・社内メール82%削減・業務効率56%上昇という実績を持つツールです。
特に、在宅勤務者はコミュニケーション不足によって業務効率が低下したり、
孤独感を抱いてしまったりすることがあるため、デメリットの対策のために非常に効果的です。
③最低限のコストで導入できる
「JANDI」は4ライセンス以下のチャット機能のみであれば無料~、
5ライセンス以上のビジネスツールとしても1ライセンスあたり400円~という低価格で提供しています。
社内チャットのツールは多数ありますが、ここまで低価格で提供しているツールは他にありません。
まとめ
仕事と育児の両立は、個人個人の働き方の問題であると同時に、会社の体制の問題でもあります。
そして、社員が仕事と育児を両立させられるように仕組みや体制を整えることは、長期的に見れば自社の発展にもつながります。
効果的な対策としては、以下の3つの対策を紹介しています。
①育児休業制度を始めとした規定の整備
②在宅勤務やテレワークの導入
③時短勤務やフレックス勤務などの時短勤務対策
そして、これらの3つに共通して効果的なツールが、ビジネスチャットツールJANDIです。
JANDIは最低限の費用で、コミュニケーションを活性化して業務を効率化してくれるツールです。
スタッフの仕事と育児の両立を後押しできる体制を検討中の企業は、ぜひ導入してみてください。