「顧客の□□さんについては、営業の〇〇さんに聞かないと全く状況が分からない」
「▲▲さんよりも業務量が多いような・・・」
以上のような状況で困ったことはないでしょうか?
もちろん、専門的な技術や資格が必要な場合や、
社内での権限が理由で対応できる人が制限されてしまうことはあります。
しかし、日常業務においてこのような事態が頻発していると、
本人も周囲も困ってしまう場面が頻発してしまいます。
また、それは時期的なことでも起こりえます。
特に経理業務の場合、処理要求があまり無いときもあれば、
月末月初に集中して処理要求が発生することも珍しくありません。
業務進行の遅れ進みによってリソースとタスクのバランスが偏ることは仕方がないと思っている人も少なくないのではないでしょうか。
そんなリソースとタスクの偏りをなくすための対策として実施したいのが、業務平準化です。
業務平準化とは、人や時期によって偏りの見られる業務量を全体的に均一にすることを指します。
この記事では、業務平準化が行われない場合のデメリットについて押さえたのちに、
平準化を行う手順について解説します。
平準化には、業務の「可視化」が一つのポイントとなっているので、
「可視化」についても意識しながら読み進めていただけたら幸いです。
業務平準化とは?
上でもお伝えしたとおり、業務の平準化とは、
特定の人や時期に集中している仕事を、可能な限り全体的に均一にすることを指します。
業務量の偏りは、リソースと作業量のバランスが一致しないことで、
作業量の過剰・余剰が生まれることが原因となり発生します。
基本的にリソースは一定であり、大きく変動することはありません。そのため、作業が多い時期は過剰な状態になり、逆に少ない時期は余剰となります。
特定の人に業務が集中している場合には、
業務が集中してしまっている社員一人の問題というよりも組織の在り方に問題がある可能性が高く、
会社として改善方法を考える必要があります。
業務平準化がされておらず、業務量に偏りが生じている場合にどのようなデメリットが生じるのかについては、
次の章で詳しく解説しますが、会社の業務効率の観点からもスタッフのワーク・ライフ・バランスの観点からも、積極的に取り組むべき課題の一つといえるでしょう。
そして、対策方法についても後で詳しく解説しますが、
業務平準化をするために大切になるのは、業務の「見える化」「可視化」です。
業務が平準化していない場合の5つのデメリット
業務が平準化していない場合のデメリットは、主なものだけでも5つあります。
この章では、具体的にどのようなデメリットが存在するのかについてチェックしていきます。
2-1.デメリット①業務が滞ってしまう
特定の社員に業務が集中してしまうと、以下の事態に陥りがちです。
「担当者に確認をしないと、業務を進められない」
「担当者に聞かないと、状況が分からない」
結果として、業務が滞ってしまい、全体の工程が遅れてしまったり、
他の社員が手持ち無沙汰になってしまったりしてしまうことがあります。
2-2.デメリット②コストが高くなる
業務に偏りがある場合には、人件費が高くついてしまうというデメリットも考えられます。
・業務がたくさん集中しているスタッフに残業代がかかってしまう
・他のスタッフが手持ち無沙汰になってしまい、無駄な待ち時間が生じてしまう
生産性向上を目指すためにも、業務の平準化が必要であることが分かります。
2-3.デメリット③業務がブラックボックス化してしまう
業務が特定の一人に集中してしまうことにより、
業務内容がブラックボックス化してしまう危険性もあります。
担当者以外に、案件について詳しくわかる人がいないため、
顧客とどのようなやり取りがなされているのかが分からなくなってしまうということです。
業務がブラックボックス化してしまうと、
上述のように他の社員が対応できないというデメリットの他に「スタッフの正当な評価が難しくなる」という面もあります。
つまり、顧客に対してどのようにアプローチし、普段どのようにコンタクトを取り、
そして最終的にどのような納品を行ったかという部分が見えないため、
スタッフの仕事を正当に評価するのが難しくなるということです。
2-4.デメリット④スタッフが自由に休みを取れなくなってしまう
業務が集中してしまっているスタッフは、休暇の取得にも影響を及ぼすことがあります。
例えば、有給休暇についてはきちんとした手順を踏めば社員に認められている権利ですが、
業務が集中してしまっている社員の場合は「自分が休むと顧客の対応が滞ってしまう」という考えがあるため、
なかなかまとまった休みを取ることができません。
それどころか、定休日にどうしても外せない仕事が入ってしまったり、
社員自身が希望する休み(例えば、家族の行事など)でさえ、
思うように取得できなってしまったりする状況さえ、生じてしまうことがあります。
2-5.デメリット⑤顧客サービスが悪くなってしまう
特定の社員に業務が集中していると、
顧客サービスが悪くなってしまう可能性があります。
(顧客から見た場合の業務の偏りのデメリット)
・問い合わせをしたのに「担当者ではないから分からない」といわれてしまった
・簡単なことを質問したいのに、担当者がいつも忙しそうだから気軽に質問しづらい
・レスポンスが遅い・・・
以上の状況から顧客満足度が低下すると、
最終的には顧客の離反につながることもあります。
業務平準化のために必要なこと
特定の社員や特定の時期に集中している業務を全体的に平均化するのは非常に難しいことに思えます。
しかし、この章で紹介する手順に沿って業務平準化を進めていけば、業務を平準化することができます。
平準化のためのおすすめITツールについても紹介しているので、ぜひチェックしてください。
3-1.業務の棚卸を行う
最初に行うべきことは、全ての業務の内容やフローを棚卸することです。
日常的なルーチンワークだけでなく、
特定の時期にのみ発生する業務やイレギュラー対応のものも含めて、スタッフが対応する業務全てについての確認を行います。
このときに同時にチェックしたいのは、無駄が生じていないかどうかの確認です。
・必要のない手順を踏んでいないかどうか?
・特定のスタッフ、時期に集中していないかどうか?
・外注できる業務はないか?
このように業務の洗い出しと無駄の確認をすることで、棚卸の方向性が明確化できます。
3-2.業務内容を明確にマニュアル化する
業務の棚卸ができたら、そのまま業務内容をマニュアル化しましょう。
マニュアルを作成することで、業務内容の引継ぎがスムーズに行えるようになります。
また、担当スタッフが不在の場合や、別案件で対応できないといった状況でも、
マニュアルを見ながら他のスタッフが対応できるようになります。
マニュアルを作成する際に行っておきたいことは、実際にマニュアルを使ったチェックをすることです。
マニュアルに沿って作業を行ったり、マニュアルに沿って別のスタッフに研修を行ったりすることで、
マニュアルの不備を発見したり、より使いやすいものにブラッシュアップしたりすることができます。
3-3.中・長期的な視点で対応する
担当者レベルでの業務の偏りだけではなく、時期の偏りについての平準化も重要です。
時期の平準化を行う際には、中・長期的な視点が不可欠です。
繁忙期があらかじめわかっているときには、忙しくなる時期にあらかじめ人員を増やしたり、
他の業務を行う時期を前倒し・後ろ倒ししたりすることで、負荷がかかりすぎないように調整することができます。
また、時には一人ずつ作業にあたるのではなく、
全体として集中して担当を割り振ることによって、時期による作業の偏りを改善することができます。
3-4.定期的に最新の状態をチェックする
いったん業務平準化を行っていても、一定期間が過ぎると新たに偏りが生じてしまうことは珍しくありません。
例えば、同じ業務を担当していても、以下のようなケースで仕事量が変わることが考えられます。
・以前よりも工程数が増えてしまい倍の作業時間がかかってしまった
・以前は担当商品がベストセラー商品だったが、新商品の登場によって主力商品ではなくなった。それに伴い、商品販売・管理の業務負担が減少した
・以前は手作業で計算していた業務が、ツールで自動計算できるようになり、作業時間が半減された
日々の仕事量の偏りを検知・改善する方法としては、
カレンダー形式で業務内容を管理することをおすすめします。
カレンダーで社員一人ひとりの予定を可視化できることによって、仕事量の偏りに気付きやすくなります。
このような最新の業務フローを踏まえながら、対応を検討していくことが大切です。
3-5.平準化は「可視化」がカギになる
業務平準化を行うために、カギになるのは「可視化」です。
業務平準化を実施すると、社員一人ひとりの業務量が増えたり減ったりすることから、
業務を可視化せずに平準化を実施してしまうと不平不満が生まれやすいためです。
従って、可視化をしたうえで、社員が「客観的に見て平等・公平に平準化が実施されている」と感じられることが、
社員のモチベーション維持のためにも重要であるということです。
では、業務を可視化するためにはどうすればよいでしょうか?
最もスムーズな方法は、SFA(営業支援ツール)を利用することです。
SFAの特徴は、次の3点です。
・社員のスケジュールや過去の顧客との契約情報、テレアポの状況など、自社の営業の状況が全て確認できる
・パソコン、スマホからアクセス可能なので、社外にいても情報を閲覧可能
・簡単に情報共有できるため、自社の業務が全て可視化できる
SFAツールの中でも特におすすめしたいのが「ネクストSFA」です。
「ネクストSFA」は、SFAとしての機能を網羅していることに加え、
圧倒的な使いやすさとていねいなコールセンターによるサポートシステムを強みとした継続率97.2%のSFAツールです。
特に、SFA未導入の企業や、インターネットツールが使いこなせるか不安・・・といった企業におすすめのツールです。
まとめ
業務を平準化しない場合には、業務が滞ってしまうことをはじめとしたさまざまなデメリットがあります。
そして、業務平準化はスタッフ一人ひとりの問題ではなく、会社としての取り組みも大切です。
会社が行うべき業務のポイントは以下の5点です
・全ての業務の棚卸
・業務内容のマニュアル化
・中長期的な視点での対応
・定期的な最新状態のチェック
・業務の可視化
特に、業務平準化のカギになるのは「可視化」です。
今回の記事で紹介したITツール「ネクストSFA」を使用するなどにより、ぜひ平準化を実現してください。