「所属」「所属意識」などを意味するビロンギングは、近年ビジネスで注目されている用語です。
この記事では、ビロンギングについての基本と高め方のポイントを解説しています。自社のチーム力・競争力を高めたいと考えられている方は、必見です。
近年「ビロンギング」が注目されています。
ビロンギングとは、「所属」「所属意識」を意味する用語です。
しかしながら、全体的に抽象的な概念であり、ビロンギングとは具体的にどのようなことか?どのようにすれば高められるのか?などの点を理解するのは簡単なことではありません。
この記事では、関連する用語の解説などをふまえ、ビロンギングを具体的に分かりやすく解説します。
この記事の目次
「ビロンギング」とは
ビロンギングは、多くの方にとってあまりなじみのない用語かもしれません。
この章では、ビロンギングについての概要や土台となる用語・背景について解説します。
1-1. ビロンギングとは
「ビロンギング」とは、所属を意味する単語である「belong」が元になった用語です。「所属・一体感・帰属意識」を指しています。
「ビロンギング」は、単なる「所属」と意味合いが異なります。
従業員が自分を押し殺して組織に所属するのではなく、
個性を活かしたまま一員になるというニュアンスをもっており、組織にとって重視すべき概念のひとつです。
1-2. ビロンギングの土台となる用語
ビロンギングは、「ダイバーシティ」「インクルージョン」の文脈で語られることが多いです。このふたつの用語が、ビロンギングの土台となります。
・ダイバーシティ
「ダイバーシティ」とは、多様性を指す用語です。
「性別・年齢・国籍・文化・価値観など、さまざまなバックグラウンドを持つ人材が、企業や組織に存在していること」を指します。
多様な人材の確保は、グローバル化や労働力不足問題・消費者ニーズの多様化など、
企業や組織を取り巻く問題や環境変化に対応するための戦略でもあります。
このあと解説しますが、ビロンギングが広まった背景にはダイバーシティの浸透が関係しています。
・インクルージョン
「インクルージョン」は「包括・包含」を指す用語です。
多様なバックグラウンドを持つ従業員が、互いに認め合い能力を発揮できる状態を意味します。
インクルージョンは、ビロンギング・ダイバーシティを実現するために必要な考え方でもあります。
1-3. ビロンギングが広まり始めた背景
ビロンギングが広まり始めた背景として、産業構造の複雑化があります。産業構造が複雑化し、社会では給与形態や働き方の多様化が生まれました。
【産業構造の複雑さにより生まれた変化】
・成果主義や年俸制の導入
・雇用形態の多様化
・転職による人材の流動化
多くの人が自分のライフスタイルに合わせた働き方ができるようになった一方、
ビロンギング(所属・帰属意識)が不足しやすい状況が生まれるようになりました。
この状態に加えてダイバーシティ(多様性)やインクルージョン(包括性)を取り入れようとした動きが始まりましたが、
雇用や役員に特定の属性を持つ人材を入れるだけの結果に終わってしまいます。
結果、ダイバーシティやインクルージョンを達成しているのに、肝心の成果やメリットを受け取れていない企業や組織が出てきました。
これらの課題を改善し、ダイバーシティやインクルージョンの成果を出すために、
ビロンギングを満たす必要があると考えられるようになりました。
ビロンギングは、形式的な外国人雇用やシルバー人材の再雇用などの多様性(多様な人材が活躍できていない状態)ではなく、
本当の意味での多様性を実現(多様な人材を有効活用できている状態)するために生まれた概念です。
ビロンギングがもたらす効果
ビロンギングがもたらす効果はたくさんあります。【ビロンギングがもたらす効果】
・従業員の帰属意識が高まる
・早期離職を防ぐ
・企業や組織のブランディングを強化できる
それぞれの内容について詳しく解説します。
2-1. 従業員の帰属意識が高まる
ビロンギングが高いということは、企業や組織に対する帰属意識が高いことを意味します。帰属意識の高い従業員は、仕事の質が高く成果をあげる傾向にあります。
ビロンギングは、企業や組織の業績を高めるためにも欠かせない要素です。
2-2. 早期離職を防ぐ
ビロンギングを高めると、積極的に仕事に取り組む社員が長く定着できる環境を整えられます。社員の定着率が高まると、業務習熟度の蓄積にも効果的です。
結果として、ビロンギングは従業員の成長にもよい影響をもたらします。
2-3. 企業や組織のブランディング強化につながる
ビロンギングが高まると、従業員自ら働きやすい組織のイメージを広めてくれます。これは、企業や組織のブランディング強化につながります。
ブランディングが高まれば、就職希望者が増え、優秀な人材に出会える機会も増えるでしょう。
結果的に、企業や組織の成長や業績向上に役立ちます。
ビロンギングを高める方法
ビロンギングを高めるためには、企業が組織的に取り組む必要があります。
しかし、ビロンギングが注目されるようになったのが近年であることから、高め方についてあまり広く知られていません。
この章では、ビロンギングを高めるのに役立つ方法を解説します。
3-1. 企業理念やビジョンの明確化
ビロンギングを高めるには、戦略的かつ明確に実現したいビジョンを掲げることが有効です。単なる標語ではなく、目指すべきゴールや価値観・重要性をわかりやすく伝えましょう。
ビロンギングを根付かせるには、
従業員が「自社がどこを目指しているのか」「自分の仕事がなにに役立っているか」を真剣に考えられる環境が重要です。
この環境づくりの柱となるのが、企業理念やビジョンとなります。
つまり、企業理念やビジョンの明確化は、ビロンギングを高めるうえで欠かせない要素であるといえます。
3-2. 継続的な教育
ビロンギングを根付かせるには、理念などを掲げるだけでなく継続的な教育も必要です。ビロンギングを高める教育は、一時的な研修を一部の従業員に行えばよいものではありません。
継続的かつ、全体的な教育を繰り返し行うことが大切です。
ビロンギングを根付かせるには、所属する従業員全員が定期的な研修を受けられるような環境づくりを行う必要があります。
3-3. インクルージョンに基づいたマネジメントやリーダーシップ
従業員をけん引する経営者や上司は、インクルージョンを重んじる価値観を実践しなくてはなりません。人間は、自分の個性や属性を尊重しないものからは距離を置くようになります。
ビロンギングを高めるには、従業員が持つ属性に配慮するインクルージョンを意識する必要があります。
インクルージョンの高め方の主な方法は、多様な人材の採用・研修の実施・レクリエーションの実施です。
インクルージョンの意識が高い組織作りをすることで、従業員同士が互いに尊重し合う企業風土の醸成にもつながります。
結果的に、よりモチベーションが高まりやすい好循環が生まれ、自然とビロンギングが高まりやすくなるでしょう。
3-4. 環境を整備する
ビロンギングを高めるには、スタッフ全員が働きやすい環境を整備することも大切です。テレワークや時短勤務などの働き方を選択する従業員がいても、業務に支障なく作業できる環境を用意しましょう。
ここで役立つのが、クラウド型勤怠システムです。
クラウド型勤怠システムは、スマホやパソコンなど複数の端末からアクセスできるツールで、
職場だけでなく自宅や出張先などからでも打刻や各種申請が可能です。
従業員に応じた勤務形態を選択できれば、ビロンギングを高められます。
ビロンギング向上に役立つシステムは、これだけではありません。
ビジネス用チャットツールも環境整備に役立ちます。
ビジネス用チャットツールには、タスク管理や連絡事項を一覧で確認できる機能が搭載されています。
時短勤務や在宅勤務の場合、どうしても連絡事項を確認するのが難しいときがあります。
ビジネスチャットツールを導入していれば、ツールを開いてすぐにタスクや連絡事項を確認できるため、漏れや行き違いの防止が可能です。
「株式会社ビジョン」では、ビジネス用ツールを各種ご用意しています。
クラウド型勤怠ツールの「VWS勤怠」 やビジネス用チャットツール「JANDI」 など、
お客様のご要望に合わせてご提供します。 興味を持たれた方は、ぜひご連絡ください。
まとめ
ビロンギングは、企業や組織が新しい世界の流れに対応しつつ、利益を上げるためには欠かせない要素です。
ダイバーシティやインクルージョンを実現させ、ビロンギングを高めるには複数の対策を講じる必要があります。
ビロンギングを高める対策の中には、企業や組織を大幅に変える必要のあるものや、成功するまでに年単位の時間がかかるものもあります。
しかし、ツールによる環境整備などの小さな活動であれば、すぐに成果を出すことも可能です。
ビロンギングの向上を検討されている方は、
まず自社の環境がビロンギングにどのような影響を与えているかを考えるところから始めましょう。