企業がより効率よく業績を上げていく中で、
その生産性に注目して経営状況を分析するケースがあります。
特に現在の日本では労働人口が毎年減少し、
今後もその減少が続いていくため、生産性の分析が重要だとされています。
この生産性を論じるに当たっては「人時生産性」の算出を行い、
それを基に分析を進めていくものとされています。
今回、この人時生産性についての概要とその計算方法、
そして人時生産性を向上させる方法についてご紹介していきたいと思います。
人時生産性とは従業員1人の1時間当たりの生産量のこと
人時生産性とは、従業員1人が1時間分の労働をした時の生産性を数値化したものです。
簡単に言えば、1人が1時間でどれだけ稼いだかという数値になります。
そもそも生産性とは、投入した資源に対してどれだけの成果が生まれたか?
という指標を指す言葉です。
人時生産性はこの生産性をさらに絞り込んで算出します。
ちなみに、経営判断をする際に参考とする指標の中に、
人時生産性とは別に、労働生産性という指標もあります。
この労働生産性は、労働という投入資源に対してどのくらいの利益を上げられたか、
ということを表す指標であるため、人時生産性と同じ言葉だと勘違いをされることも珍しくありません。
労働生産性は1人当たりどれだけ稼いだか、という指標であるのに対して、
人時生産性は1人1時間当たりどれだけ稼いだかという指標であるという違いがあります。
労働生産性に比べて、短時間にどれだけ稼げるかというシビアな生産性指標が人時生産性です。
人時生産性の計算方法
1人1時間当たりどれだけ稼いだかという指標は、
企業が経営状況を把握する上では必要不可欠な情報です。
そんな重要な人時生産性を求める計算方法について、ご紹介をしていきたいと思います。
人時生産性は「粗利益高÷総労働時間」の計算式で算出する事が出来ます。
この計算式で算出された数値は、どのくらいの労働時間を投入した結果、
どのくらい稼ぐことができたか、というのを数値化した情報です。
例えば粗利益200万円、総労働時間が100時間の社員の人時生産性を計算した場合
200万円÷100時間という計算の結果、人時生産性は2万円となります。
この数値を基に労働の見直しなどを行っていきます。
従業員1人当たりの1時間当たりの生産性を数値化できるとすれば、
業務改善に大きく役に立つ人時生産性ですが、実は大きな問題もあるのです。
それは従業員1人ひとりの労働時間や、粗利益の数値を正確に把握する必要がある点です。
特に労働時間は、その考え方も企業ごとにあるため、
勤怠管理が徹底していなければ、人時生産性を計算したところで正確なデータとは言えなくなってしまいます。
人時生産性を正確な数値で算出したい場合には、
勤怠管理は正確に行うことが必要不可欠であると言えます。
人時生産性を向上させるためには
公益財団法人である日本生産本部が、
2017年に発表した「2018年度版 労働生産性の国際比較」によると、
OECD加盟国36カ国の労働生産性の統計では、
1人あたりの労働生産性という指標において日本は21位となっています。
日本国外では、短い労働時間で効率的に働こうとする意識を持つ労働者・経営者が増えている中で、
日本はその意識や取り組みが他の先進国と比べて遅れているのが事実です。
さらに、近年の日本では長時間労働による過労死の問題、
少子高齢化による労働人口の減少が懸念されて行く中で、
短い労働時間で効率的に働こうとする意識が、必要不可欠なものとなっています。
時代の変化とともに日本でもその変化に対応していき、人時生産性の向上が必須の課題となっています。
人時生産性は、粗利益高÷総労働時間の計算で算出されることは、
先ほどもご紹介をさせて頂きました。
ここに注目すると、人時生産性を向上させるためのポイントは粗利益高を増加させること、
総労働時間を削減する事であることが分かります。
ここではこの2つのポイントを押さえて、
人時生産性を向上させるための方法についてご紹介をしていきたいと思います。
3-1 人員の適切な割り振り
人時生産性を向上させるためには、
従業員を適材適所に配置をして収益を増価させることが重要となります。
企業で働く従業員が全員効率的に生産性の高い仕事をしていれば問題ありませんが、
人には得手不得手があり、なかなかそうもいかないのが現実です。
効率の悪い働きをする従業員の中にも、
優秀な能力があるにもかかわらず不得手な業務に取り組んでいるために、
成果が上げられないというケースもあります。
その結果、収支バランスが悪くなり、総合的に収益が向上しなくなることも起こり得ます。
収益を向上させるためには、まずは従業員1人ひとりの特性を把握して適材適所に配置を行い、
それぞれが持つ能力を最大に発揮できる環境を作ることが重要です。
それに加えて、従業員が取り組む業務内容も管理をしていき、
そのやり方が正しいものなのか大切なものかを見極めて、指導を行っていくことも必要となります。
従業員の動きや勤務状況を正確に把握し、
管理を行うことによって行動を改善して収益向上に取り組むことが、
人時生産性の向上の1つのポイントです。
3-2 無駄な労働の見直し
一つの業務に対して、多くの人数で取り組むことによって連携が取れにくくなり、
結果として効率の悪い動きをしてしまう場合があります。
そのため、業務内容の正確な把握を行い、それに対する動き方の指導を行う必要があります。
必要であれば余分な人員を削減し、むしろ人手が足りていない現場に回すという判断も必要となってくるでしょう。
ただし、人時生産性を向上させるために無駄を削減するとして、
安易に人件費を削減してしまうケースがあるため、注意が必要です。
確かに、人件費を削減すれば総労働時間が下がるため、一時的に人時生産性の数値は改善されます。
しかし、従業員の特性を把握しないまま人件費の削減を行うと、
優秀な社員まで削減してしまう可能性もあります。
その結果、総労働時間は下がるものの収益も同時に下がってしまい、
人時生産性の数値はほぼ変わらない、という事が発生する可能性があるので注意が必要です。
人件費の削減を検討するためには、
従業員それぞれの成果・労働管理を正確に把握したうえで、
適切に管理を行うことが重要になってきます。
まとめ
今回は、短い労働時間で効率的に働くために、
そして企業が経営状況の改善のための参考となる「人時生産性」についてご紹介しました。
近年の日本でも労働環境の改善が求められており、
政府もそれに伴って様々な支援を行っています。
そんな時代の変わり目である今こそ将来を見据えて、
短時間でより少ない人員で、大きな効果を出す必要性が求められてきています。
しかし、この人時生産性の計算において、
従業員の業務内容や勤怠状況の把握を正確に行わなければ、
信頼性のないデータになってしまいます。
人時生産性の改善の前にまずは、従業員の状態をしっかりと把握できるシステムの導入も重要となっています。
勤怠管理システムの導入を新しく検討されている、
もしくは今のシステムからの乗り換えを検討されている企業様におすすめしたいのが、
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